信号が何色でもブレーキなんて踏まない

周囲はみな結婚やら恋やらキラキラとしている。出逢いを求める人たちもいる。
私はといえば傷付くと分かっていて恋なんて、少なくとも自分から惚れた腫れたなどとは二度と言わない、と心に決めてのここ数年。好意を伝えるだけで精一杯の、床で溺れるような無様なことはもうしない。必要最低限を演じて済ませてみせる。
……と思っていたが、実際には恋なんて唐突に訪れて、ブレーキの掛け方も分からないうちにクラッシュするだろう。だから心を開かないように細心の注意を。
いつかマトモな人間になれたら、少し自分を好きになれたら、誰かに愛してもらえる自信もつくのかも知れない。その時に期待して、とりあえずは背筋を伸ばすことから。
 
とはいえこの二ヶ月間、久しぶりの高揚感とあの「知っている」「知りたい」という感覚などに苛まれ、否、味わえて、大変愉しゅうございました。
これ以上を踏み込んで痛い目に合う前に前線より退却。体の傷ならむしろ歓迎だがそれもどうかと思うが、心の傷は堪えようがない。
ただ確かに楽しかった!
時として訪れる愉快な出逢いに感謝! 
 
この感覚をアレだとか呼ばないうちに、おさらばどろん。
あなたには尊敬の念を抱く。