杞憂民

好きなものをただ好きでいることは難しい あっ、それはちょっと、という部分に目を瞑ることは難しい 誰かや何かの悪点について考えるたび 気道がきゅっと狭くなったような息苦しさを覚える 動悸が喉にまで伝わってはくはくとする 画面の向こうにしかないもの…

70×250cmのスペース

朝からずっと雨が降っている。やまない。 怠惰な日々を脱するためにそろそろ外出をしようと思っていたが、天気予報を見て昨夜のうちに諦めた。 代わりにというか、日中の時間の多くをベランダで過ごした。 賃貸の我が家は雨が降ると屋根からの滴りでベランダ…

与える人間になれない

自分の欲くらいは正確に把握している。 決して否定や侮辱をせずに、追い詰めてくれ。 微笑みながら強制して、それに従えない私をただ待ってくれ。 とうとう折れて泣いたり叫んだり声も出なかったら、よくできたと褒めてくれ。 自分が受け取るもののことしか…

10年間

私の部屋にはノートが沢山ある。近い道はそれぞれ違うけれど基本的な趣旨は同じだ、アウトプットアウトプット。アウトプットする人間でいたいという焦燥の象徴。ノートが埋まりきったことは一度もない。手近なノートを開いてみる。多くのノートに散見される…

風待ち

世の中ではフジロックという催しがありまして現地に行けなくてもYouTubeで配信などしてましてプロジェクターもスピーカーも準備して堪能しようとしたくせうっかり寝落ちして見逃したGRAPEVINEのリピート配信を待って楽しんで朝4時を過ぎましたバンド25周年お…

人格ABCDEFG

ねむいねむいねむいねむい きょうはよっているよっているよっている しらないしらないしらないふりをするよ わすれたわすれたわすれたふりをするよ 自己嫌悪の狭間で欲求不満を抱える 我らABCDEFG

人格ABC

真実愛し合っていようが、 お互いに暇つぶしだろうが、 いずれにしろ記憶が残らないのは 目を閉じていたからです。 抱き合うその相手を直視せず その場にいる自分自身も直視せず うとうとぼんやり、 寝ぼけたような、酔ったような 女の役割を果たすための人…

性癖を考える

本日は、性癖について考えましょう。 先天性ですか? 後天性ですか? ものによります。 (ここで回想) 幼稚園児の頃の、寝る前の妄想ごっこ。 悪の組織にとらわれて、身体改造。 とりつけられたスイッチによって、 強制的に行動させられてしまいます。 嫌な…

わらった日記

もうきっとこれは治らないのかもしれないけれど どうしても笑ってしまうくせがあって それは危ういときほど 端的にいうならば 「やばい」ほど 誤解を受けることは多々ある 叱責を受け止めていないように見えたり 誰かを馬鹿にしているように見えたり 実際が…

語弊

どうしても言葉は澱む どうしたって本質ではないものになって、尽きる もうこれ以上はない それ以上に伝わることはない

幸福

隣にいるあなた 幸福であれ 通りすぎたあなた 幸福であれ あなたはきっと、だれかと幸福に過ごすでしょう あなたもきっと、だれかと幸福に過ごすでしょう わたしはそっと、だれにも告げずに死ぬでしょう

うぶ

時折思い出される「はじめて」 すべての「はじめて」 人には言えないことの多い人生です 仮にこの先また誰かを愛して あわよくば 愛されて けれど決して明かせない そんな話ばかりです 取り返しのつかない「はじめて」 過ぎてしまった今まで

Answer

時間をかければ理解できる そんなのは当たり前のことで今日は50分で 出来たこと 明日は30分で 願わくばそれにしても、 答えを知っていることが大事なのではなくて、 理論を知っていることが大事なのだなと常々理論に沿って情報を集めれば、答えは自ずと その…

朽葉

言葉というよりは言の葉、まさに言の葉 それがふわりと胸中に舞い降りる、あるいは舞い散る そのようなことがかつてはよくありました いまはまるで、土中を探す心持ち 湿気て腐った言の葉を掘りおこしては やぶれないように、掌にのせる どうにか乾かしてみ…

絶望的青春の救世主

思春期にありがちな、ロックミュージシャンの言葉や、その信者たちと肩を寄せ合う場所があるということをよすがにして、どうにか乗り切ってきた青春だった。 恥じるようなことではなく、今も輝く眩しい記憶。 ただその記憶はハレーションを起こしていて、当…

yet

当時から予感していたことではありましたが あのころの 十五歳だとか十六歳だとかいう時代の自分を おとなになった自分は越えられないのです

先天性

首を絞めてくれるのは誰より君が上手いから 利害の一致利害の一致利害の一致利害の一致 飽きるまではお互い様

猿としての僕ら

そろそろメールマガジンが廃刊になる(自然消滅させる)ので、そちらで毎回書いていた言葉のいくつかを転載してみた。 何の力も技術もない言葉でも、今の自分には書けない言葉に違いないから。 枯渇した私がいつかまた潤いますように。

クレマチス

芽吹いても吹きさらし 膝折って泣き腫らし 息殺し とはいえ咲くためならば生き恥晒し

(空)

寄越せよ君のアイデンティティ それで僕は人並みになれる 何かが足りなくて今までずっと泣いていた 寄越せよ君のアイデンティティ 悲しい理由も分からない 僕の礎になるもの

思春期

どうせいつか失うものを掻き集めて 似たものを違うように加工して 儚いからこそ美しいだなんて 君は 思い込みで 得た輝きをそうやって蔑ろにして そのくせ若さゆえに溢れんばかりだなんて 君は 君は

立樹

豊穣なる大地に根付いて 母の恵みをぐんぐんと吸い上げる 一本すっくと立った樹があるのです 私と云ふ生命に宿つているのです その枝で天を突き刺し その葉で地を覆い隠し 主のおわす座を揺るがす所存です

弔い

明日の向こうには君がいる そんなイメージで歩いている 君がいる方向は いつだって明るい そんな気持ちを頼りに歩いている 昨日サヨナラをした君なのに 明日の向こうで笑っている

オモイ

何でもするよ、と僕は言った。 君のためになら何でも出来るよ、と言った。 すると君はただそうっと、 『まだ分からないのね』 と呟いて そして微笑むのだ。 『……貴方は、私がいなくては駄目なのね』 次の日、君は静かに居なくなった。 なんということだ! た…

birthday

ぼくがバツの悪い顔で遅れて来たところで きみは何の気もないように あぁ来たの まぁ座れば、なんて言う そうしたらまた始まるだろう 何度も繰り返したような時間 くだらない くだらない会話をして 酒も肴もなくともさ つまり歳を一つ重ねたぐらいじゃ人間は…

A

何故だ、敵ばかり 何故だ、愚か者ばかり 何故だ、カードは確かにAばかり

Are you Alice?

ウサギを追うことだけが目的で、その果てなど何も無い。 もう気付いていたんだよ。 “いつまでも捕まえられなければいいのに”

→FUTURE

今、 生きているようで、死んでいるようだ。 明日、 帰りたいんだよ、待ってはいないけれど。 還る場所はこの先か ミスター・フューチャー、そこかしこから確かに貴方の匂い。

時代

開放前線 駆け抜けるのは僕たちで 引き金を弾くよりも 速く 速く弾丸はない 何を持たずとも速く速く

赤い糸を辿って その先にいるのが君じゃないとしてもだね要は今、大事なのは今、繋ぎとめたいのは目の前にいる君でしかないんだよ