オモイ

何でもするよ、と僕は言った。
君のためになら何でも出来るよ、と言った。
 
すると君はただそうっと、
『まだ分からないのね』
と呟いて
そして微笑むのだ。
『……貴方は、私がいなくては駄目なのね』
 
次の日、君は静かに居なくなった。
 
なんということだ!
ただ君のためになら何でも出来る僕は、
けれど君が居なければ……
 
「君のためになら何でもするのに!」
「あぁ、君に背中を押してもらいたいのに!」