月明かり

今夜のこれが真実満月なのか、僕には見当がつかないけれど(なんせ眼鏡をかけても滲んでしまうのだ、あの丸い月の野郎が)、
とにかく月明かりというものが本当に明るいことを今、思い知った。
 
なんてったって月明かりの窓辺で僕は僕の手相を見ることが出来るし、試してみたら本を読むことだって出来たんだ。
真っ暗にした部屋には確かに光が差し込んでいる証拠、ブラインドカーテンのボーダーの影が鮮明だ。
 
正直なところ、
僕はといえば寝付けずに困り果てている。明るすぎるんだ!
 
 
ねえ、そういえば君が泣いたのはこんな夜だった。
今夜照らすのはあどけない寝顔でありますように。