なんぞなんぞ

恋とは何ぞと訊いたとして、「恋とは執着」と回答があるとして、
そも執着とは何ぞ
「例えば、知りたいと思うということ」
 
例えば、僕は君たちを想った
強気な態度で孤独を見せられず、ふいに泣いた君
型にはまらぬ奔放さで色鮮やかな物語を次々と紡いだ君
映画も芸術も政治経済も自分色の解釈だとしても自在に引き出せる君
これが恋だろうと思ったものだ
それは常に一目惚れ、とは言わない、一関わり惚れと言うべき直感だった
その直感を言語化して以下に記す
 
『I know you!!!』
 
独りにされるくらいなら先に一人になろうとする君の痛烈な孤独
既存の物語よりも世界の土台から作り上げて決して一般的ではない君の創造力
ストイックを演じるしかないシャイな仮面の下で着々と築く君の顕示欲
僕はそれ(決めつけ)を知っている(という思い込み)、
君のすべてなんぞ知らない知れるはずもないけれど誰も気付いていない(わけがない)その本能的な部分(決めつけ)を僕は知っている!
知っている
知りたいと思うより先の感情
 
……けれど思えば、知っていると感じるからこそ確かめるように更に知ろうとしたし、
この「知っている」と強引に思い込む気持ちはまさに、執着、か。
恋を執着と呼ぶのはいかにもしっくりいかない、それでは私の僅かな恋は恋ではなかったのかもしれない、
と結論づけようと書き始めたがどうにも納得してしまった。
執着心。もっと知りたい内側を覗いてみたいという感情。
それは覚えがある。とても。
 
恋とは何ぞ
知りえぬから思うもの