私は別人になれない

笑顔の練習をしてみたりして、結果、自信喪失撃沈サヨナラ。
誰か私を見つけてくれたらなぁ。
誰か私を見間違えて惚れてくれたらなぁ。
とりあえずは実験をしてみよう初めて会った貴方、そう貴方で。本当の私を知らない貴方となら。
上目遣いで見上げるけど天然です計算じゃないですよ勿論ふふふってな演技なら出来るんです出来るとはいえ、そんなのは鏡を見たことがあるからに他ならない。
全身全霊で自分の顔なんて思い出さないように、そして卑屈になったことなどないかのように。

「どうして俺と会っているときはそんなに嬉しそうにしてくれるのかなぁ」
なんて何人目、そんなのメリットがあるからに決まっているじゃない。出来れば現金を期待。
あぁ面倒になった。はぁぁ。

惚れた君の前でこそ演じていれば良かったんだ。
だけど君に会いたいがために何度も鏡を見た。そして自分を思い知ったし、どうやら君が指し示す女の子にはなれそうもない。
……とはいえ努力もしてみるしてみたよ。
故に、無様な結果を目の当たりにして今にいたる。努力が足りないという意見は受け入れるが、少なくともあれと同じにはなれないよ。違う道を自分で探さなくてはいけないって気付いたの。
そんで今はその道の開拓を断念中。
だって君はもういないし。はぁぁ。



要は君に会いたいっていうことで、出来るなら全部なかったことにしてイチから。
上手くやるから一度でいいから勘違いだっていいから「好きだよ」なんて言ってもらえるように初めから。
あの日々で一番それに近しい言葉は「好きなほうなんだけどな」だとか「嫌いじゃないから今ここにいる」だとかそんなんで、それを喜べなかった私は傲慢なのだろうか。だってそれは『友達として好き』にすら劣るのではないの? あくまで「普通」の範囲内。
そうじゃなくて誰かも歌ってた、
『イキオイは無しでさ、抱き合いたいじゃない。』

この先誰と出会おうと私がどう変わろうと君とは出会えないんだってさ。どうしよう、とても怖いこと。
はぁぁ。